APCDA Conference 2026に登壇しました|AIキャリア支援の研究と実践を国際学会で発表

2026年4月、マレーシア・クアラルンプールで開催された「APCDA Hybrid Conference 2026」に参加し、桜星彩株式会社が取り組むAIキャリア支援の研究と実践について発表しました。
その後、発表内容をまとめた論文が、2026年7月にAPCDA Conference Proceedingsへ掲載されました。本記事では、学会での発表内容と、正式に公開された論文の概要をご紹介します。
APCDA(Asia Pacific Career Development Association/アジア太平洋キャリア開発協会)は、アジア太平洋地域を中心に、キャリア開発に携わる実務家、研究者、教育関係者が集う国際団体です。各国のキャリア支援に関する知見を結びつけ、研究と実践の発展、国際的なネットワーク形成に取り組んでいます。
2026年の大会は4月20日から30日まで、オンラインとマレーシアのUniversiti Malaya(マラヤ大学)での対面プログラムを組み合わせたハイブリッド形式で開催されました。大会テーマは、「Inclusive Career Development in Global Transitions(グローバルな変化の中での包摂的なキャリア開発)」です。

本テーマのもと、多様な相談者のニーズに応えるキャリア支援、教育現場におけるキャリア開発、国際的な人材育成、AIやデジタル技術を活用した新しい支援方法などについて、各国の専門家による発表やセッションが行われました。
AIキャリアコーチをテーマにセッションを実施
桜星彩株式会社からは、代表のLiとメンバーの高橋が登壇しました。また、大森美和氏を共同プレゼンターに迎え、「多様なコミュニティのためのAIキャリアコーチを設計する」というテーマでセッションを実施しました。
本セッションでは、学生一人ひとりの背景やキャリア課題に応じて、個別化されたキャリア支援を行うAIキャリアコーチの設計フレームワークを紹介しました。

提案したシステムは、学生のペルソナに応じた対話を支える5セクションのプロンプト設計と、キャリア支援者が活用できる構造化された分析結果を生成する5要素の評価プロセスを組み合わせたものです。AIだけで支援を完結させるのではなく、人間のキャリア支援者が曖昧な情報を確認し、専門的・倫理的な判断を担うHuman-in-the-Loopの考え方を重視しています。
また、立命館アジア太平洋大学で5名の学生を対象に実施したパイロットと、長野大学で収集した質的フィードバックをもとに、AIキャリアコーチがキャリアの計画、自己探索、内省を支援する可能性を検討しました。小規模な探索的研究であるため、結果は統計的に一般化できる結論ではなく、今後の検証につながる予備的な知見として位置づけています。
発表内容がAPCDA Conference Proceedingsに掲載されました
2026年7月、発表内容をまとめた論文「Designing an Agentic Artificial Intelligence Career Coach: A Human-in-the-Loop Framework for Personalized Career Guidance」が、APCDA Conference Proceedings, Vol. 3, No. 1, pp. 27–32に掲載されました。
- 著者:Xiahan (Dilapsky) LI、Miwa Omori
- 掲載:APCDA Conference Proceedings, Vol. 3, No. 1(July 2026)
- ページ:27–32
論文では、AIが反復的な対話や情報整理、初期分析を支援し、人間のキャリア支援者が関係構築、解釈、曖昧な情報の確認、倫理的判断に集中する協働モデルを提案しています。
研究からAIロールプレイ型人材育成へ
今回の研究で重視した「個別化された対話」「対話後の構造化された分析」「AIの出力を人が確認する」という設計思想は、桜星彩株式会社が現在取り組むAIロールプレイ型トレーニングにも通じています。
AIが人間の指導者を置き換えるのではなく、繰り返し練習できる対話環境、会話記録、初期的な分析を提供し、人間が最終的な解釈や指導を担うことが基本方針です。なお、本論文は学生向けキャリア支援を対象とした探索的研究であり、現在提供している営業研修製品の効果を直接検証したものではありません。
国際的なキャリア支援の議論から得た学び
会期中は、キャリア教育、人材開発、学生支援、移民・留学生支援、多文化環境におけるキャリア形成など、幅広いテーマについて議論が行われました。
グローバルな移動や社会変化が進む中で、キャリア支援には一人ひとりの文化的背景、言語、学習経験、職業観に寄り添う視点がますます求められています。今回の発表を通じて、AIを単なる自動化ツールとしてではなく、人間の支援者を補完し、より多くの人に質の高い支援を届けるための仕組みとして活用する重要性を再確認しました。
桜星彩株式会社では、今後もキャリア教育、AIキャリア支援、AIロールプレイ型トレーニングの研究と実践を進め、教育機関・企業・地域社会に貢献できるサービス開発に取り組んでまいります。
桜星彩株式会社が提供するAIキャリア支援
桜星彩株式会社では、大学・教育機関向けに、AIを活用したキャリアデザインワークショップや、学生の自己理解・進路選択を支援するプログラムを提供しています。詳しくはキャリア支援サービスをご覧ください。
企業向けには、AIとの対話練習、会話記録、分析とフィードバックを組み合わせたAI営業ロープレ研修サービスを開発・提供しています。


